【乗車記録】北海道②-2 2021.02.21 その1

 こんにちは。某コロのおかげでお盆に帰省もできず、9月まで特におでかけの予定もなく一人寂しく家に鎮座しており、相変わらず暇すぎて気が狂いそう(幸せな悩み)なので、昨年2月の北海道旅行(移動)の続きを書きたいと思います。

 

 

2021.02.21

①特急 宗谷(下り) 稚内

  札幌0730→1240稚内

 

 北海道特急乗り潰し旅2日目は、私がこの世で一番好きな列車であるキハ261系0番台による特急「宗谷」号に始まります。(本日分はきっと写真・長文・早口が多めになります。)

51D SE203+SE104

 早朝の札幌駅は、北斗、ライラック、おおぞら、オホーツク、すずらん...と各方面に向かう特急が約10分間隔で一挙に発っていきます。

 

 指定席券売機できっぷを出して案内表示板で自分の乗る列車が出るホームを確認し、これからの旅路に期待と想像を膨らませながら改札を抜けると、JR北が誇る超高性能ディーゼル特急列車のガラガラガラというアイドリング音が近づいてきます。ホームに上がると軽油の燃えたいいにおいが立ち込め、天窓から差し込んだやわらかな朝日に白い排気がきらめく札駅の冬の朝の雰囲気が、たまらなく大好きです。

 

 8番線に上がると、HET色をまとったクソかっこいいキハ261系が出発を待っておりました。長年の夢だった最北の特急「宗谷」号への乗車に胸が躍ります。
 

 特急宗谷は、特急サロベツとともに稚内方面・宗谷本線を走行する日本最北の特急列車です。396.2kmの走行距離は気動車特急としては日本一(電車特急を含めても第二位)で、札幌-稚内間の所要時間は実に5時間10分を誇ります。

 

 そして、各車両には最高出力460馬力を誇る  13,000cc 水冷直列6気筒OHV インタークーラー付きディーゼルターボエンジン「N-DMF13HZH」が2基(所定は3号車となるキハ260形100番台の一両は1基のみ)搭載され、4両編成・計7基で実に3,220馬力の大出力を吐き出します。

 

 ニチャニチャした講釈は一旦この辺にしておき、本題に戻り(?)ます。

𝑳𝑰𝑴𝑰𝑻𝑬𝑫 𝑬𝑿𝑷𝑹𝑬𝑺𝑺 𝑺𝑶𝒀𝑨
𝑭𝒐𝒓 𝑾𝒂𝒌𝒌𝒂𝒏𝒂𝒊...

 旅先で特急列車に乗り込む瞬間はとても好きです。1000番台の白・黄・紫の車体もいいですが、北海道というと私はやはり青基調のHET色を浮かべます。

 

 行きは、北海道フリーパスの指定枠を使用し指定席車に乗り込みます。G席・普通指定席が半室ずつの1号車の普通車側を指定しました。特に複雑なきっぷでもないのに、7時半に出てお昼過ぎに着くというバグった乗車時間がしれっと書いてあるのがなんとも良いものです。なお、札幌と稚内を結ぶ宗谷号は1往復のみの運行であるため号数はなく、案内放送でも「宗谷号」と案内されるのがまたトクベツ感があり、とても良いですね。

 

 写真を何枚か撮って満足したのち、いよいよ車内に乗り込みます。5時間を超える長旅で車内販売も長時間停車もないため、札幌の時点で飲食物はしっかり確保しておくのがよいでしょう。モケットの色が車体色とマッチしていたり、木目調や床の柄がオシャレでいいですね。1000番台のような紫色のグレードアップ座席ではないため少々狭さは感じますが、大きな問題ではありません。

 

 列車は(たしか)定刻通りに出発し、冬の晴れ空のもとエンジン音を響かせ、最北の旅路へと進んでいきます。下りの宗谷・オホーツクは、岩見沢を出ると砂川・美唄にも停車し、ライラックやカムイのように早朝の通勤・通学需要も拾っていきます。サラリーマンだけではなく、高校生も乗り込んでいました。

 

 カーブを抜けると、官能的なエンジンサウンドと甲高いタービン音を響かせて、身体がシートへ沈むような力強い加速を見せてくれます。


www.youtube.com

 

 

 

 函館本線の末端区間は、良い線形と高い車両性能を活かして快調に飛ばしていき、約1時間半弱で旭川へ到着します。一瞬外に出てみると、車体側部に着いた氷雪が走行風で凍り付いているという、関東ではまず見られない光景に興奮を隠せません。

 旭川を出ると、「この先、エゾシカなどの野生動物が多数出没する区間を走行いたします。~~」といった特有の自動放送が流れ、いよいよ最北の鉄路・宗谷本線へと進むことになります。同業者のYouTubeやブログなどを見ていつか行きたいと願っていた所へ足を踏み入れる瞬間のドキドキ♡は、旅の大きな醍醐味ではないでしょうか。

 ちなみに私はこのエゾシカの自動放送が大好きで(?)、ここからが道内鉄道旅の本領じゃ~~とテンションがさらに上がります。

 

 この写真は、上川盆地石狩川と名寄盆地・天塩川を隔てる分水嶺塩狩峠のあたりで撮ったものです。札幌周辺よりも雪が多くなってきた気がします。(気がするだけかもしれない) 札幌を出る頃は冬晴れだった空も名寄付近からだんだん澱んでいき、雪が強く降るようになってきました。それもそのはず、札幌-名寄間の約210kmは、東海道線で喩えるならば東京-島田間などに相当します。

 

 なお旭川-名寄間は、北海道高速鉄道開発による高速化事業によって、最高時速120km(2014年のダイヤ改正までは時速130km)対応の区間となっています。一見普通のローカル線ですが、見えにくい所にしっかり手が入っていて高速運転に対応しているというのは、なんとも性癖をくすぐらr

 

 一連の事故により制限速度が引き下げられた2013年ごろ、スーパー宗谷の最高時速も120kmまで引き下げられ、札幌-稚内間5時間切りの運用はここで幕を閉じることになります。願わくば、道内の特急がまだスーパーを名乗っていた時代に乗ってみたかったものです。特に、現在のHETの礎となった高性能特急型気動車キハ281系」を投入し、途中停車駅を東室蘭のみに絞り、1からのダイヤの引き直し、分岐機の改良などによって札幌-函館間を2時間59分で結んだスーパー北斗19・2号は、今ダイヤを見ても感動してしまうものです。。

 

 話が逸れに逸れまくったのでそろそろ戻ります。名寄を出て、美深、音威子府と停車し、これは天塩中川の少し前あたりでしょうか。川面は凍り付き、雪に埋まっているためわかりにくいですが、列車は日本第4位の長さを誇る天塩川に沿って走っています。

 

 道民の敵、エゾシカもたくさんいました。前回は道央~道南の人通りの多い場所にしか行かなかったため野生動物を見ることはなく、今回こそは見られるかな~と期待していましたが、旅が終わるころには飽きるほど見慣れてしまいました。エゾシカはレールを舐めて鉄分を摂るために線路まで出てくるらしく、強めのブレーキとともに警笛を長く鳴らすといった場面が何度もありました。

 

 これは幌延到着前の天塩川を眺めた写真で、私が宗谷本線内で最も好きな景観の一つかもしれません。なお幌延付近には北緯45度線が通っており、さらに北へ進んでいることを実感します。

 

 最北の無人駅、抜海周辺にて。先ほどからの曇天・降雪により、利尻富士を眺めることは叶いませんでした。

 

 南稚内を出るとすぐに「アルプスの牧場」が流れ、列車は終着にして日本最北の駅、稚内に到着します。

 

 列車は少し遅れ、札幌から5時間と20分ほどでついに稚内駅へ到着しました。電車特急に負けじと函館本線を急いだ後には、最北のローカル線の日本離れした車窓を快適な車内から堪能できる、長時間移動が大好きな旅行者諸君にとってはこの上なく楽しい列車と言えるでしょう。

 

 ここから先はもう線路がありません。

 

 ロシア語併記の青看板。

 

 稚内駅到着後の1号車の側面が、道北の環境の厳しさを物語っています。過酷な環境の鉄路を快走するための堅牢さと高い性能を兼ね備えたこの車両には、男心をくすぐられてしまいます。私がこの車両を愛してやまないのも、デザインや走行区間にある旅情に加えて、そういった点があるからと感じます。

 

 まだ本日の旅程の半分しか終わっていないのですが、好きな車両・路線ということでつい記事が長くなってしまったので、一旦ここで切り上げてしまおうと思います。

 

 余談も余談ですが、キハ261系0番台は、宗谷本線高速化事業に伴って2000年にデビューした特急「スーパー宗谷」のために6ユニット(2両×6ユニットの12両=3編成)が投入されました。これらの車両は北海道高速鉄道開発が所有し、JR北海道へリースするという形で運行していました。しかし、当時のスーパー宗谷充当の261-0の運用はふた通りであること、そしてデビュー後の盛況によってふた通りの運用とも6両編成での増結運転をしていたことから、6ユニット12両が常時フル稼働で予備車なしという状況になりました。そこで翌年10月には7ユニット目となるSE-104ユニットが新造され、このユニットだけはJR北海道の所有となっています。今回の乗車では札幌方にそのSE-104を引くことができ、一人でニチャニチャと喜んでいたという話をしたかっただけでこの長さとなりました、すみません。。。

 

 誰得だよって感じですが(俺得なので)、そのデビュー当時の261-0の運用を下に記しておきます。昔のダイヤとか運用を眺めるのっていいですよね(適当)

 

 ①札幌830-[3031D スーパー宗谷1号]-1328稚内

  稚内1653-[3034D スーパー宗谷4号]-2151札幌

 ②稚内737-[3032D スーパー宗谷2号]-1235札幌

  札幌1722-[3033Dスーパー宗谷3号]-2220稚内

 

 次回は帰りの行程について紹介したいと思います。相変わらず暇な休みが続いておりますので、何とか飽きずに書けそうです。それでは。